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vSAN ベース HCI VxRail のEVCモードのデフォルトはHaswel

事象 VxRailを構築した直後にEVCが自動で有効化されている or されていない件についての問い合わせ。 仕様について 過去のドキュメントでは明確に記載されていたが最近のドキュメントではEVCに関する仕様が省略されてしまっている模様。 VxRail は旧CPU世代および旧サーバ世代との混在を想定した設計となっており、旧世代のCPU機能がデフォルトのEVCとなっている。 そのため、VxRail構築直後にHaswelでEVCが有効化されているのは仕様である。 もしEVCが構築直後に有効化されていなかった場合は、何らかの失敗が発生していた可能性があるのでサポートに問い合わせた方が良い 補足 鋭い人なら疑問に思うかもしれない。 VxRailは、最初の状態ではESXiも設定されておらず、vCenterも存在しない。 初期構築の過程でESXiにIPが振られ、vCenterがデプロイされ、その後vSAN クラスタを形成していく。 ここで一つ問題がある。EVCを設定するのは当然vSAN(vSphere)クラスタ構築後になるのだが、その時すでにvCenterが稼働しているため、EVCで古い世代を指定することはできないのではないか?ということである。 これに対する回避方法として、以下が考えられる。 1.vCenter起動時に Per VM EVCを設定する 2.vCenterが稼働しているESXi以外で先にクラスタを組み、EVCを設定した後でvCenterを移動させる VxRailは1の方式は使っていない。なぜならばPer VM EVCがサポートされるよりも前から存在している製品だからである。 実は2の方式でもない。VxRailのクラスタセットアップのフローとして、まずはvCenterが稼働するESXiでvSphere クラスタを組み、あとから 順次Add Host していくという手順でクラスタを構築しているためである。 では、正解は何かというと、実は1の方式に近い。 VxRail は Per VM EVC という機能が追加されるよりも数年前から、仮想マシンの設定値をいじることで疑似的なPer VM EVCを実現し、それを用いてVxRail クラスタを構築していたのだ。

Nutanix AHV から VMware vSAN 環境への移行に関するメモ

調査目的 vSphere 環境からNutanix AHV への移行は Nutanix Move を使うことで簡易化ができる(ダウンタイムは必要) 逆に、AHVからvSphere/vSAN 環境に移行したい場合はどうなるのか? 調査結果 調査といってもググっただけだが以下のことが分かった。 実際にラボで試したわけではないので確認が不足しているかもしれない点はご容赦ください。(そもそもメモなので) ・少なくとも無償のツールやサービスの範囲では、Nutanix Move 相当の機能を持つものは存在しない。 ・CLIを使った手動の方法によって、仮想ディスク単位で変換をすることは可能 ・変換後の仮想ディスクはVMDKファイルであり、そのままvSANにコピーすることはできないため、いったんVMFS環境に保存したのちにvSAN DataStoreに移動する必要がある。 ・ベンダーやSIerが提供する有償サービスで可能な場合も考えられる。 以上のことから、vSphere/vSANからNutanix AHVに移行するのは簡単だが、出すのは非常に面倒でハードルが高いことが分かる。 入れるのがいいが出すのが難しい、という特徴は一部のクラウドサービスでも同様であり、オンプレ回帰と呼ばれるモーメンタムを生む一因にもなっている。 Nutanix の場合はクラウドサービスのように思ったよりコスト高になったり、障害時の対応に不満が残る、といった追加のデメリットはない(妄想)とおもうが、出し入れが容易に越したことはない。 ベンダやSIerが提供するData Migrationの有償サービスにおいても、私が調べたベンダに関しては、Hyper-VとvSphere間での移行は提供していたが、AHVは含まれていなかった。