vCenter の SNMP Trap の SNMP Version の確認

SNMPの Version による差異


 SNMPにいくつかのVersionがあることはよく知られた事実だと思います。主には、SNMP v1, v2c, v3 が利用されています。

普段利用するうえで、あまり SNMP の Version の細かな違いを意識することは少ないと思います。多くの方は、v1とv2cは認証が不要、v3は認証が必須で設定が面倒、というくらいの差異しか感じていないのではないかと思います。


しかしながら(当然ながら)、それ以外の差異も存在しています。それぞれの詳細な仕様は以下のRFCで規定されています。


SNMP v1

https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc1157


SNMP v2

https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc1905

https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc1910


SNMP v3

https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc3414


上記のRFCを読み解くのは難しいので、詳しく知りたい方は SNMP message format についてググればわかりやすい記事を見つけられると思います。

この Version による差異は、実は SNMP Trap にも存在します。具体的には以下の記事で説明されているように、SNMP v1、v2c であっても PDU の Message format が異なっています。 


SNMP v1 Trap PDU Message format

http://www.tcpipguide.com/free/t_SNMPVersion1SNMPv1MessageFormat-3.htm


SNMP v2 Trap PDU Message format

http://www.tcpipguide.com/free/t_SNMPVersion2SNMPv2MessageFormats-5.htm



SNMP Trapで利用されるVersionは何か?

ここで疑問に思うのは、SNMP Trap を送信する監視対象デバイスはどの SNMP Version の Trapを送信しているのか、という点です。

SNMP Get などで Pollingする場合は、明示的に Version を選ぶことが可能ですが、Trap に関してはどのVersionが使われているのかが不明瞭な場合が多いです。

vCenter も SNMP Trap を送信する機能がありますが、 SNMP Trap において Version を設定する項目はなく、どの Version で送信されるのかは不明です。

恐らく一般的なSNMP Manager (Trapを受信するシステム)では既存のSNMP Version のすべてをサポートしていると思われますので、どの Version で送信されるのかはあまり重要ではないのだと思いますが、気になったので調べてみました。


vCenter から送信される SNMP Trap の Versionを調べる

環境:vCenter Server 7.0 Update 2d  の VCSA

調査方法: vCenter から何らかの SNMP Trap を送信させて、 Wiresharkでキャプチャする

キャプチャした結果は以下でした。




上記からわかる通り、Version 1 で送信されていました。 Message format も前述の記事で説明されているような形式になっていました。


他のVersionを選んで送信することは可能?

そういった状況はほとんどないとは思いますが、もし特定のVersionを利用する必要がある場合、Trap の Version を変更することは可能なのでしょうか?

VMware の Doc などから SNMP に関する設定を確認しましたが、残念ながらそれを変更できる公式の情報は存在しませんでした。

もし、万が一そういった需要がある場合は、VMware 社に問い合わせるしかないでしょう。

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