vCenter のRDU 8.x -> 9.x を試す

 概要

vCenter 8.x Reduced downtime Upgrade9.0にする

 

 

参考

vCenter Server upgrades with the reduced downtime

[TAM Blog] Reduced Downtime UpgradeRDU)機能のご紹介(Part1 - VMware Japan Blog

[TAM Blog] Reduced Downtime UpgradeRDU) 機能のご紹介(Part2 - VMware Japan Blog

 

 

 

Reduced Downtime UpgradeRDU)とは

あたらしいVCSAのアップグレード方式です。

従来の手法と比べてvCenterの再起動やデータ移行に伴うダウンタイムが短縮されており、

より簡単に負担なくアップグレードができるようになっている。

 

従来の方法はUIでの操作手順も異なる。

 

今後はこの方法が主流となり、従来の方法は廃止される予定となっている。

 

まずはダウンロード

 

Broadcom Support SiteからvCenterISOをダウンロードする

Installerと同じISOを利用する

 

 

vCenter 8.xまでは、My DownloadからvCenterで検索すると簡単に見つかるが、vCenter 9.0Vmware Cloud foundation で検索して、

Vmware Cloud Foundation の中でvCenterを探して掘り進んでいくと見つかります。

 

 

 

 

ISOファイルをデータストアに配置する

 

何とかダウンロードしたISOファイルはVCSAにマウントする必要があるので、その前段階としてデータストアに転送します。

VCSAをホストするESXからアクセスできるデータストアであればどこでも良いです。

 

 

 

VCSAISOファイルをマウントする

 

特別なことは何もないです。既存のアップグレード対象のVCSA VMの編集画面からISOファイルをマウントする。

 

 

 

 

 

 

 

RDUのウィザードを開始する

 

RDUは従来とは異なる手順でのアップグレードとなる。

アップグレード対象のVCSAvSphere Clientにログインし、最上位インベントリにいるvCenter自身を選択する。

UpdateタブからvCenter Server Updateが可能となっている。

 

 

ISOファイルをマウント済みの場合は、現在のバージョンとISOファイルのバージョンが確認できるようになっている。

バックアップを取ることが推奨されるので、バックアップがない場合は取得しておく。

とってなかったとしてもチェックを入れてNextから先に進めることはできる。

 

 

PluginUpgradeが指示されるので、UPGRADE PLUG-INから実行する。この操作ではvCenterの再起動は発生しないので業務影響はない。

 

 

 

 

PluginUpgradeの完了を待つ。(数分~5分)

 

 

アップグレードが終わると自動的にUIがリロードする。

リロードされたらもう一度RDUのウィザード画面に戻り、今度はプリチェックを流す。RUN PRE-CHECKS

 

 

 

 

Precheckが終わると先に進める

 

 

次にターゲットアプライアンスの構成に移る。

RDUでは既存のVCSAとは別のVCSA VMを新規で構築し、移行する形で進行する。

ターゲットアプライアンスとは、新規で作成されるVCSA VMの設定のことである。

 

 

 

お決まりのEULACEIPの後に、ロケーションの構成がある。

今回はSelf Manged 構成なので同じ場所を選択する。(Self Managedじゃない場合にSame Locationを選ぶとどうなるんだろうか)

 

 

 

 

次に、VCSA VMの構成(サイズとかデータストアとか名前とか)を選択する。

 

 

 

次にVCSA VM名とRootパスワードを選択する。既存と同じものを選んで問題ない。

 

 

Network設定の項目では新VCSAが利用するTemporary IP等の設定をする。

Temporary IPは既存VCSAと同じIPを選択することはできない。重複しないIP設定、かつ既存のVCSAからアクセスできるものにする必要がある。

手動での設定も可能だが、今回はAutomaticを選んで何が起こるのかを観察する。

 

参考ブログの記載ではDNSの正引き逆引きが必要とされていたが、今回は何もしてない(というかAutoなので何もできない)

 

 

 

最後に構成をReviewしてFINISH

 

 

 

 

構成が完了したらSTART UPGRADEからアップグレードを開始する。

 

 

スイッチオーバーをどのように実行するのかが選択できる。

スイッチオーバーのタイミングではVCSAへのアクセスができなくなる(バックアップなども失敗する)ので、定常運用業務側との調整が必要である。

今回はTemporary IPの挙動を見たいのでManualを選択する

 

 

暫し待つ。いつでのキャンセルができるのは地味にありがたい。

 

 

 

しばらくするとスイッチオーバーのフェーズに入る(手動を選択しているので自動的にはスイッチオーバーしない)

 

 

 

 

このタイミングでTemporary IPAutomaticにした際の挙動を確認する。

VCSAの構成を確認すると、Temp IPとしてリンクローカルIPが降られている

 

 

 

一方で旧VCSAに対してもリンクローカルIPが追加されていた。

同セグメントでのRDU実行の場合はTemporary IPAutomaticが非常に便利だと思う。

 

 

 

 

スイッチオーバーを押してみる

 

 

 

5分程度でスイッチオーバーが完了した。

 

 

スイッチオーバー後は新VCSAIPアドレスとFQDNを引き継いでいる。

 

 

 

 

RDUについての所感

全体的に非常に簡単で細かいドキュメントの確認なしでエラー無く完了できた。

Temporary IPAutomatic設定についは非常に便利だと感じた。

IP/FQDNは引き継がれるが、Mac Addressが引き継がれないのでMac Addressで通信をフィルターしている場合は注意が必要である。

Broadcom Support PortalからvCenter 9.0 ISOのダウンロードが一番のハードルだった

 

 

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