Beacon Probing についてのメモ
概要
Beacon Probingについての相談があったので、調べた内容をメモ。
基本的には利用は避けるべきと判断しています。
Beacon Probingってなんだっけ?
Beacon Probingは仮想スイッチのUplinkのリンク障害検知手法の一つです。
デフォルトはLink Status Onlyとなっており、いわゆる物理ポートのUp/Downでのみ判断をする方法です。
ただしこの方法だと直接接続のスイッチ(TOR)とのLink状態しかわからないため、TORスイッチと上位スイッチとのリンク障害時にはなにもできないため、
そのための対策としてBeacon Probingという機能があります。
Beacom
Probingはその仕様上、ドキュメントにもある通り、3ポート以上でないと想定通りの動作となりません。
かつ、TORスイッチがそもそも冗長化されていない場合や、複数のTORスイッチが論理スイッチ構成(StackやvPC、VLTなど)をとっている場合は不要です。
Beacon Probingを検討する際の注意事項
ビーコン検知は3ポート/3
switch以上の構成を想定してデザインされていますので、2ポート/2 スイッチでは普通は利用されません。(下記KB参照)
一応2ポート以下でも設定することは可能ではありますが、以下のドキュメントにもある通り、2ポート以下での利用は不安定な動作を誘発する可能性があり、単純なLink DownにとどまらずFlappingなどのさらなる悪質な障害につながる恐れがあるため、Link Status Onlyで利用いただくことを推奨します。
What
is Teaming and Failover Policy
なお、vSANで利用するポートに関しては、Basic
NIC TeamingにおいてBeacon Probingを利用するなと公式に記載があります。
Configure
Load Balancing for NIC Teams
なお、LACPを利用する場合においてもBeacon
Probingは非サポートです。
Understanding
IP Hash load balancing
2ポート構成時の補足
2ポートでのBeacon Probingの場合、TORスイッチと上位スイッチとの疎通切断が起きた場合、障害検知のためのビーコンパケットがいずれのポートでも検知できなくなります。そのため、どちらのポート(の上流)で障害が発生したのかを区別することができないため、Shot gun modeという挙動になります。こ
のモードでは2つのポートから同じパケットが送信される挙動となります。(どちらが障害かわからないので両方から送信している)
まとめ
個人的な結論として、Beacon Probingは基本的に採用するべきではないと考えています。
そもそも3ポート/3スイッチ以上の構成は現代では稀です。
一昔前であれば1GbEポートをたくさん束ねるような構成もあったかとおもいますが、近年では10GbE/25GbEといった高速なUplinkを複数のトラフィックでシェアするような構成が一般的であるため、特定のポートグループが利用するのはほとんどが2つのUplink
Portで事足りますし、TORスイッチで10GbEや25GbEといったスイッチを3台以上利用する構成はほとんどありません。
さらに、近年のVMwareの傾向としてシンプルな構成への誘導が目立ちますので、基本的にはデフォルト構成で利用することが推奨されます。
上記で触れた通り、vSANやLACPではBeacon Probingは使わない方が良いですし、複雑な動作が既存のvSphereやネットワーク側の機能と競合するリスクもありますので、よほど限られた要件でない限りはLink Status Onlyを利用するのが良いです。
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